「 夜泣き 」にアプローチ【原因&対策編】~「放置がベスト」「鉄分補給で改善」ってホント?

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夜泣き

おなかがすいたとか、おむつがぬれて気持ちが悪いなど、はっきりした理由がなさそうなのに泣くのが「 夜泣き 」。でも、日本にだけ「 夜泣き 」があるというのなら、日本の文化や日本人の生活の中に、夜中に泣くことが習慣化しがちな理由がありそうですね。睡眠の仕組みから原因を探るとともに、具体的な「 夜泣き 」対策をまとめてみます。

※睡眠の仕組みから詳しく知りたい人はこちら

「 夜泣き 」にアプローチ【睡眠の仕組み編】~日本の赤ちゃんだけ夜泣きするのはなぜ?

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「 夜泣き 」の原因は?

刺激で目が覚めやすい赤ちゃん。目が覚めたときに泣き続けたり、毎晩の「 夜泣き 」として習慣化してしまうのはぜでしょうか。原因とされている諸説をまとめてご紹介します。

理由その1) 一日の過ごし方が睡眠に影響

「夜泣き」を引き起こす背景として、よく指摘されているのは「一日の過ごし方(生活リズム)に問題がある」ということです。

いちばんの問題は朝寝坊。体内時計のリセット時間が遅れてしまうので、メラトニンが分泌される時間も遅くなるなど、睡眠のリズム全体に影響してしまいます。

遊びたりない、運動量が少ない赤ちゃんは、疲れないから睡眠物質もたまりません。また、長く昼寝したり、遅い時間になって寝てしまうと、たまっていた睡眠物質を一気に減らすことになり、就寝時間には寝つきが悪くなりがち。夜中に熟睡できないことにも関係しそうです。

夜は家族一緒に楽しい時間を過ごしたいですね。でも、リビングの照明やテレビの光は眠りの天敵で、メラトニンの分泌を抑えてしまいます。帰宅したパパと遅い時間に入るおふろ、近所のコンビニまでのちょっとした買い物など、赤ちゃんにとっても楽しい時間かもしれません。しかし、それが覚醒物質のオレキシンが出てしまうきっかけに。起きているモード全開になって、ますます眠気から遠ざかってしまいます。

遅起き、夜の就寝時間が遅い、夜間の睡眠時間が短いということに相関性があるということははっきりしています。(参考 日本小児保健協会「乳幼児の睡眠覚醒リズムと食事および母親の睡眠-生後3か月から17か月までの縦断調査-

寝つきが悪かったり、しっかり熟睡できないと、体内時計にも影響。夜中に目覚めてしまった赤ちゃんは、朝だと勘違いして、周囲に人がいないとか暗いなどの状況にとまどって泣きだすことがあるのだとか。

また、眠りが浅くなったとき、再び深く眠ろうとしてうまくいかず、不安や精神的な不快感で泣きだしてしまうことも。「 夜泣き 」には、熟睡や早寝を妨げる生活リズムが影響していそうです。

理由その2) 日中の記憶や感情を思い出して夜泣きする

眠っている状態から、いきなり泣いてしまうこともありますね。どうして赤ちゃんは泣くのでしょう。

大脳は、レム睡眠のときに記憶の情報整理をしていています。大人の場合でいえば、ノンレム睡眠で見る夢は漠然として朝の記憶には残りにくいのに対して、レム化睡眠はストーリー性のある夢で、記憶にも残りやすいものです。

赤ちゃんもレム睡眠時に日中の記憶や感情が夢となってよみがえり、そのときの不満や悲しさが制御できなくなって泣き出してしまうことがあると考えられています。さらに泣いたことで目覚めた不安、眠りが中断された不快さなどが重なって、泣き方が激しくなってしまうのかも。

楽しかったはずのできごとも、強い刺激だと誘因に。昔から「日中に興奮させると寝ない」「お出かけすると夜泣きする」と言われてきました。またとくに刺激に対して過敏なタイブの赤ちゃんもいます。これは遺伝性があるようです。

夜泣きの状態に波があるなら、日中の行動と照らし合わせて、どんな過ごし方をしたのか振りかえってみて。はっきりした原因がわかるかもしれません。

理由その3) ママやパパの対応でしっかり目覚めてしまう

外国の赤ちゃんも夜中に泣くことはあります。日本だけ、夜中に泣くことが「 夜泣き 」として習慣化してしまうのは、ママやパパの赤ちゃんへの対応がよくないからという説があります。

日本では住宅事情から同居家族や隣近所への気兼ねが強く、泣いた赤ちゃんにすぐに反応しなきゃと思いがち。同じ部屋で寝ているので、泣き出したときにすぐに抱っこしたり、おっぱいを飲ませたりしてしまいます。それがかえって赤ちゃんへの刺激となって、本格的に目覚めさせているといわれています。

泣いたときの対応が再び睡眠するためのきっかけになってしまい「抱っこであやしてもらわなければ泣きやまない」「おっぱいを飲まなければ眠らない」ことにつながってるのだとか。

とくに夜中の授乳や食事が、睡眠リズムに強い影響を与えています。覚醒物質のオキレシンは食欲とも深く関わっているので、夜間の食事が習慣になると、眠りのリズムの妨げになります。実際に調査でも夜中の食事の回数と睡眠時間の短さとの関係があるという研究があります。(日本小児保険協会「乳幼児の睡眠覚醒リズムと食事および母親の睡眠-生後3か月から17か月までの縦断調査-」)

理由その4) コミュニケーション不足で前頭葉が発達していない

不満や不安を抑える前頭葉が発達していないので、不安感が強くて泣いてしまうという説もあります。赤ちゃんはもともと前頭葉が未熟ですが、ママとコミュニケーションをとったり、遊びの中で自分で考えたりする体験を重ねると、活動が活発になります。

コミュニケーションや運動(遊び)が不足している場合は、前頭葉の発達が遅れることも。そうすると不安感を解消できず、それが泣くことにつながるようです。数は少ないですが、自閉症傾向があるなど赤ちゃんの素因に問題があるケースも含まれています。

※コミュニケーション不足は極端なケース。普段から、ちゃんと赤ちゃんの目を見て話しかけたり、お世話したり、遊んであげたりして、赤ちゃんもママに応えてくれているなら心配はいらないと思います。

理由その5) 鉄分の不足からメラトニンが不足している

貯蔵鉄と呼ばれるフェリチンは、中に鉄分をいっばい貯めているたんぱく質。肝臓や心臓、脾臓などの臓器に含まれています。血液検査ではヘモグロビンの数値で貧血かどうか検査しますね。ヘモグロビンの供給をバックアップしているのがフェリチンです。フェリチンが不足していると、睡眠障害を引き起こし、うつ病の原因にもなることがわかってきました。

フェリチンは、癒しのホルモンと呼ばれるセロトニンが、たんばく質のトリプトファンから作られる過程でも必要になります。実は、セロトニンはメラトニンの原料。つまりフェリチン不足はメラトニン不足を引き起こしてしまうのです。

日本では各世代で鉄分が不足しているといわれています。妊娠中に貧血とわかって、鉄剤を服用した人は多いのではないでしょうか。赤ちゃんは妊娠中にママから十分な量の貯蔵鉄をもらっているはずですが、半年を過ぎてくるとそろそろ不足ぎみ。とくにママの母乳で育っている場合、母乳の栄養と離乳食では鉄分がたりていないかもしれません。

沖縄県で実施されている血液検査では、9カ月の赤ちゃんのうち母乳栄養児の約3分の1が鉄分不足だったそうです。(参考 エバラこどもクリニック「見落としがちな乳幼児の鉄欠乏性貧血」)大人でも、ヘモグロビンの数値は正常値でもフェリチンが不足している「隠れ貧血」はかなりの数になるといわれています。

日本で赤ちゃんの血液検査の結果と「 夜泣き 」を関連づけたデータは探せませんでしたが、ひとつの可能性として考えられそうな気がします。鉄分不足は夜間に脚がそわそわして落ち着かない感じになる「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」の原因にもなります。もしかしたら、肉体的にも不快な症状が出ているのかもしれません。

「 夜泣き 」対策

対策その1) 生活リズムを調える

早起きが大切です。日中はたくさん遊び、太陽の光も浴びさせましょう。昼寝は長く寝すぎないように注意を。夕方には寝かせないようにしてくださいね。暗くなってからのお出かけは避けましょう。夜は8時までに就寝するのがおすすめです。夕食からおふろや歯磨き、眠るまでの手順を決めると眠りやすくなります。寝室は照明を消して、テレビ、パソコン、スマホなどの光で赤ちゃんを刺激しないように気をつけます。

対策その2) 外出は赤ちゃんのペースに合わせて刺激を避ける

刺激を感じやすいタイプの赤ちゃんは、混雑した乗り物、刺激の強いテーマパークやショッピングセンターなどが苦手で強い刺激になっていることも。お出かけは赤ちゃんのペースに合わせて、近所の公園などに。人の多い場所やうるさい場所を避けるのがおすすめです。子育て広場など、赤ちゃんやママがたくさん集まってくる遊び場も、平気な子もいれば怖がる子もいます。様子を見極めてあげてくださいね。

対策その3) 夜中に起きたらかまわないで様子を見守る

泣いても体調などに異変がなかったら、しばらくは様子を見守り、なるべくかまわないように心がけます。「放置がベスト」とは極端な言い方ですが、寝かせたまま、ちょっと声をかけたり、トントンする程度の対応でガマンしてみて。

コミュニケーションや母乳育児に対する考え方にも関わってくるので、夜間授乳はいつまでという答えはありません。ただ、睡眠の仕組みからいうと、夜間に寝かしつけるための授乳はNG。授乳が睡眠の手段になると、ママなしでは眠れない、食事の量が増えず十分な栄養がとれない、いつまでも卒乳できないなど、こじれるケースも。

対策その4) 鉄分の多い食材をメニューにくわえる

赤ちゃんの貧血は見た目ではわかりにくいもの。風邪をひきやすいなどの気がかりがあれぱ、貧血がないかチェックしてもらってはいかがでしょうか。

検査で大丈夫だった場合も、毎日の食事できちんと取ることが大切です。赤ちゃんの離乳食も大人の食事も、鉄分の多いレバーや赤身の魚、ほうれんそうや小松菜などの食材をプラス。ビタミンCや良質のたんぱく質とともにとりましょう。鉄びんで湯をわかす、鉄なべで調理するといった方法もありますよ。 

対策をまとめましたが、「集合住宅だから、どうしても泣かせっぱなしはムリ」というケースもあるでしょう。その場合はベビーカーや抱っこで外を散歩、ドライブに出かける、しっかり起してしばらく遊んであげるなどの対応をとるしかないかもしれません。できれば赤ちゃんをなるべく刺激しない方法の中から、ママの負担が少ないものを探してみてくださいね。また、漢方薬の効果があることも。頑固な夜泣きが続くようだったら、小児科で相談してみるのも手です。

どんな赤ちゃんにも効く夜泣き対策はありません。いろいろ試してみても、効果がないことだってあるかも。でも、いつか必ず夜泣きをしなくなります。笑い話になることを信じて、気長につきあってくださいね。

参考 生馬医院 夜泣き

まとめ
・「夜泣き」の背景には朝寝坊や長いお昼寝、遅い就寝時間などの問題が。生活リズムを調えて、就寝までの流れをつくってみて。
・日中の刺激的な体験が「夜泣き」を誘発していることも。外出は赤ちゃんのペースに合わせて、刺激的なお出かけは控えてみて。
・目覚めたときに抱っこで構い過ぎるとかえって寝なくなりがち。なるべくかまわないことがポイント。できれば夜間の授乳をやめてみて。
・鉄分不足が睡眠障害を招いている可能性も。食事には鉄分の多い食品を取りいれて。
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