ママのことが嫌いなの? ママが「 抱っこ 」すると赤ちゃんが泣いてしまう5つの理由

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「おばあちゃんが抱っこするとすやすや眠るのに、ママの私が抱っこするとどうして泣くの?」「私は赤ちゃんから嫌われてるの?」

新生児から生後2~3カ月くらいまでの赤ちゃんがいるママにとても多い悩みです。私自身、最初の子が生後3カ月になるころまでは、たびたびそう感じて落ち込むこともありました。悩んでいたのに「赤ちゃんに嫌われているママなんて私だけかもしれない。恥ずかしい」と、周囲に相談することもできませんでした。

ママになって最初の2~3カ月を通り過ぎてしまえば、赤ちゃんに嫌われていると悩んだことも笑い話に。でも、今、まさに真っ暗なトンネルの中で赤ちゃんと向き合っているママたちは、とてもつらい気持ちなのだろうなと思います。

なぜ、ママが抱っこすると赤ちゃんが泣いてしまうのか。育児サイトや子育て掲示板から答を探してみたら、5つの理由が浮かび上がってきました。

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ママの 抱っこ で赤ちゃんが泣く理由

その1 ママの抱き方が下手だから

ママの抱っこで赤ちゃんが泣く理由として、先輩ママたちが真っ先に挙げているのが抱っこテクのスキル不足。NG抱っこのポイントを見てみましょう。

  • 抱き方に自信がなくぎこちないので、赤ちゃんに不安を与えている。
  • 緊張して肩に力が入っていると、赤ちゃんの居心地が悪い。
  • 首や背中をしっかり支えられていないから、体が不安定になって落ち着かない。
  • 抱き方が赤ちゃんの好みにあっていない。(例:横抱きより縦抱きが好き、ぎゅっと強めの抱っこがいい、胎児のころからずっとしていた背中を丸めた姿勢を保っていたいなど)

「赤ちゃん&子育てインフォ」というサイトでも、「生後1か月。私が抱くと激しく泣き、母親と認知されていないと感じます。」という悩みに対して、臨床心理士で保育士・幼稚園教諭の帆足明子先生が、横抱きでは落ち着かなかった赤ちゃんが縦抱きすると笑ったことを例に「人の選択ではなく抱き方の選択では」と回答されていました。(参考  妊娠&子育て相談室 ママの気持ち )

 一般的に低月齢の時期は、バスタオルやおくるみでぎゅっと身体を包み込むと、赤ちゃんはおなかの中を思いだして落ち着くと言われています。頭を左胸にあてて心臓の音を聞かせると落ちつく赤ちゃんもいるようです。

でも、新生児期から動きが妨げられるような抱き方を嫌がる赤ちゃんもいれば、同じ抱っこが続くとすぐに飽きてしまう赤ちゃんも。横抱きか縦抱きか、頭はどっち向きにするか、首はママの腕のどのあたりで支えるか、赤ちゃんのおしりはどう支えたら落ちつくか。赤ちゃんの好む抱っこスタイルはさまざま。そこに強くこだわるか、あまり気にしないかも含めて、あかちゃんの個性を反映しています。

最初から、上手に抱っこできる人はなかなかいないもの。ママの工夫で赤ちゃんの好みにあった抱き方ができるようになったら、抱っこしても泣かなくなるのかもしれませんね。

その2 ママの精神状態が赤ちゃんに伝わって泣く

ママの精神状態の不安定さが原因で赤ちゃんが泣くのではという意見も多くみられます。ママたちはこれまでの経験から、泣き声にイライラしていたり、早く寝てほしいなどのあせりがあるときほど、赤ちゃんのグズグスが長く続き、すんなり眠ってくれないと感じています。

 前出の帆足明子先生も、ママがイライラして声を荒げたりすると、赤ちゃんはその場のピリピリした雰囲気を感じ取ると答えています。赤ちゃんがママと同じようにつらくてイライラしていることも考えられるそうです。

 たしかに、イライラした気持ちは赤ちゃんにも伝わっていそうです。でも、最初の数か月は、産後の疲れ、慣れない育児のストレス、環境の変化、慢性的な睡眠不足とイライラの種がいっぱい。イライラするな、あせるなと言われても、自分ではどうしようもないですよね。私もそうでした。

赤ちゃんにも伝わってしまうほど、自分がイライラしていると感じたら、ちょっと赤ちゃんのそばから離れてみてはというアドバイスがたくさんありました。赤ちゃんをパパやおばあちゃんに見てもらったり、地域の保育サービスを利用したりして、ゆっくり寝る時間をつくる、買い物や散歩に出かける、好きな物を食べるなどで、育児ストレスを発散。ゆったりした気持ちを取り戻して赤ちゃんを抱っこしてみましょう。そして落ちついた気持ちなら泣かずにいてくれるのか、試してみてはいかがですか。

その3  ママだから安心して甘えて泣く

「ママが抱っこすると泣く」という体験談の中に、「妹が産んだ赤ちゃんを抱っこしたときは、私でも大丈夫だった」「赤ちゃんが病気で入院したとき、同室のママと赤ちゃんを取り替えっこして寝かしつけたらお互いによく眠った」というエピソードがありました。このママたちは、「抱き方が下手」とか「精神状態」とは関係ないところで、自分の赤ちゃんにだけ、泣かれていたようです。こういったケースの場合はどう考えたらいいのでしょうか。

井田助産院のホームページにはこんな内容が書いてありました。

「赤ちゃんがママ以外の人に抱っこされておとなしいのは、何をされるかと思って固まっているから。あなたをママと認識しているからこそ、赤ちゃんは甘えて泣けるんですよ。あなたは信頼されている特別な人」(参考 井田助産院 母乳育児相談室 ママの広場 ママの悩みQ&A)

いろいろ工夫してるのに赤ちゃんが泣き続けると、自分のおっぱいが出ていないのではとか、世話のしかたが悪い、泣く理由がわからないことが情けないなど、自分を責める気持ちになりがちです。助産師さんがいうように、赤ちゃんが泣くのは「ママと認識され信頼されている証拠」と思うと、ぐっと気持ちがラクになりますね。「ママなのに泣かれてしまった」ではなく、「ママだからこそ甘えて泣くことができる」。泣かれることを怖がらないことも大事なことのように思います。

その4  おっぱいのにおいがするから甘えて(怒って)泣く

おっぱいを飲む
ママが抱っこすると母乳のにおいでママだとわかり、「おっぱいを欲しい」と興奮して泣く。あるいは眠りたい気持ちとおっぱいを飲みたい葛藤があって泣く、という説もありました。たまごママネット助産師の若松寿美恵さんと、葉桜助産所の助産師さんの説明を紹介します。

たまごママネット 

あまりにも空腹が強い時はお母さんに抱かれるとおっぱいの臭いで興奮して、より強く泣く場面によく出会います。その時にお母さん以外の人が抱っこするとおっぱいの臭いがしないので泣きやみます。

葉桜助産所~春の陽だまり ぽかぽか日記~ 

赤ちゃんは、ママに抱っこされると
ママの胸元からふんわりと香るおっぱいのにおいに思わず反応をしてしまうのです。
ついつい良いにおいがするので、おっぱいくれ~~って(^_^;)

赤ちゃんの嗅覚はおなかの中にいるときから発達していて、赤ちゃんは大人よりも敏感。新生児でもにおいでママのおっぱいと他人のおっぱいを区別できるそうです。また、満腹中枢が発達して、おなかがいっぱいとわかるようになるのは4カ月ごろといわれています。低月齢のころは、まだおなかがすいているかどうかはっきりしなくて、おっぱいのにおいがすると、とりあえず「欲しい!!」アピールで泣いてしまうのかもしれません。

また、もう眠いのに、おっぱいのにおいが気になって眠れない。おっぱいが飲みたいのか、眠いのか、赤ちゃん自身もよくわからなくて、その葛藤で泣いてしまうという説もあるそうです。

どちらにしても、母乳のにおいが赤ちゃんの気持ちをかきみだして泣かせてしまう。これは説得力がありそうですね。

その5  抱かれ心地が悪い

実体験から、赤ちゃんに嫌われた理由として、自分の体型や手の温度を挙げて、抱かれ心地が悪いのではと、いろいろと工夫してみたママもいました。

・おばあちゃんはふっくらしているし、パパはがっちりしているので、抱っこされると安心する。私はやせていて、腕がゴツゴツしていているので、抱っこされた赤ちゃんが痛そう。抱っこしてもゴツゴツを感じさせない肌触りのいい服を着た。

・自分の手が冷たいことに気づいた。赤ちゃんでもひんやりした手で抱っこやおむつ替えされたらいやだと思って、手を温めるなど気をつけるようにした。

・汗っかきなので、抱っこしているとすぐに腕が汗ばんできて、赤ちゃんも気持ち悪そう。タオルを巻いた。

対応策の効果は直接的になかったかもしれませんが、赤ちゃんを心地よくするために積極的に工夫してみる姿勢がママの気持ちを前向きに。ネガティブにならずに赤ちゃんに向き合えているような印象を受けました。

赤ちゃんとママに生まれる絆

泣くこととおっぱいの関係

ここまで調べてみて「ママが抱っこすると赤ちゃんが泣く理由」は、どれもが正解を含んでいると思いました。抱っこが上手になって落ち着く赤ちゃんもいれば、気分転換したママに抱っこされてすやすや眠る赤ちゃんもいるでしょう。そして、低月齢の赤ちゃんは抱っこする人が「ママなのに」ではなく「ママだから」泣くのだと考えてもよさそうです。

ただ、いちばんベースになっているのは「おっぱいのにおいでママとわかって、甘えて(怒って)泣く。」ではないでしょうか。

哺乳類の赤ちゃんが生きのびるには、母親に飲ませてもらうおっぱいだけが頼りです。1度にたくさんの量が飲めず、何回も飲ませてもらう必要がある時期は、赤ちゃんがおっぱいのにおいを感じるたびに泣いて、ママの注意をひきつけ、おっぱいを飲ませてもらうようにできている気がします。

ママが赤ちゃんの泣き声を聞いたり、赤ちゃんのことを思ったりすると、体内でオキシトシンが分泌されて母乳が作られるといいます。赤ちゃんの泣き声をスイッチに、オキシトシン効果でおっぱいが準備される。それが1日何回も繰り返されることで、十分な量のおっぱいを作り出し、飲ませることができるようになっていく仕組み。そう考えると納得がいきます。

抱っこしていて泣かれるのはとてもつらいけれど、それも赤ちゃんを育てるために自然が用意してくれた仕掛けだと思えば、なんとか乗れきれそうな気がしてきませんか。

泣き声に応えることが赤ちゃんの脳を刺激する

母子の絆

生まれたばかりの赤ちゃんの脳は未完成で、神経細胞はまばらにしかつながっていません。手足も自分の意思では十分に動かせないため、赤ちゃんは生きるために最低限必要なことを反射として備えて生まれてきます。たとえば、頬に触れた乳首を追いかける、口の中にいれた乳首を吸うというように。

まばらな赤ちゃんの神経細胞どうしをつなぐシナプスを形成し、複雑な神経回路をつくっていくのはさまざまな刺激です。とくに大好きな人からの快い刺激が、赤ちゃんの脳の成長に役立つといわれています。何度も繰り返される泣き声に反応して、ママがおっぱいを飲ませたり、話しかけたり、抱き方を変えたり、おむつを取り替えたりして快くさせることが、すべて赤ちゃんの刺激になって、脳を発達させていくのでしょう。

同時に、最初の短期間でママも泣き声に鍛えられ、赤ちゃんの状態を判断するセンサーを得て、泣き声に対処するスキルを磨くことができるのではないでしょうか。乱暴な言い方かもしれませんが、最初の数か月「ママの抱っこしても赤ちゃんが泣く時期」は、親子の絆、コミュニケーションの基礎をつくるための特訓期間、千本ノックみたいなものかもしれませんね。ちょっとだけ頑張って、疲れたら少し休みましょう。

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